古師、謬あらば、新師、改むべし

伝教大師最澄(天台宗宗祖。767-822)

原文

古師、謬(あやまり)あらば、新師、改むべし。

意訳

先師の説に間違った点があれば、今の師が改めるべきである。先師たちの説だからといって、とらわれる必要はない。

出典

『守護国界章』

解説

伝教大師が法相宗の徳一との間に交わした論争の書で、天台大師の三大部にそった論争点を整理して提示している。

妙機禅師の教え

古の教えは大切なものでありますが、それが必ずしも絶対無疑の真理であるとは限りません。先人たちが築き上げた知恵には、時代の背景や状況が影響する要素も多く存在します。したがって、現代の私たちが彼らの教えを受け入れる際には、その内容が今日の私たちの理解や経験と照らし合わせて必然性があるのかを深く考えることが求められます。

古の学びを敬いながらも、それに盲目的に従うことは、むしろ成長を妨げる要因にもなりかねません。仏教の教えは、常に生きているものであり、私たち自身が実践の中で体験し、理解を深めていくものであります。もし先人たちの教えに間違いや不適切な解釈が含まれていたとすれば、それをそのまま引きずるのではなく、今を生きる私たちが責任を持って再考し、新しい視点を持って改める必要があります。

たとえば、伝教大師が法相宗の徳一と論じたテーマは、まさにその一例です。彼らはそれぞれに異なる視点から真理を追求し、対話を通じて理解を深めていました。過去の教えを現代に生かすためにこそ、私たちもまた、自らの視点と経験をもって探求し続けることが重要です。

こうした姿勢は常に変化する現代社会においても同様です。私たちの内面の問いかけや対話を通じて、新たな理解を築き、それを今の私たちの行動に反映させていくことが求められます。教えは静止したものではなく、柔軟に変容し続けるものです。そのため、私たちの内なる探求心を大切にし、先人たちの教えを批判的に受け止めて行く姿勢こそが、真の智慧を育む道であると言えるでしょう。

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